アメリカの不動産市場や住宅市況は、これだけ広い国ですので元々エリアによるところが大きかったですが、大きなトレンドの転換を迎えた昨今、これまで以上にどこが伸びてどこが伸びないのか、をよく検討する必要がありそうです。
アメリカの不動産市場は新型コロナ前後でどう変わった?
最初に、Redfinが先月23日に出した興味深い記事を紹介させて頂きます。
https://www.redfin.com/news/real-estate-local-home-price-growth-pandemic/
この記事は、昨今のアメリカの住宅市況やその上下はこれまで以上に「ローカルなもの」になっている、と説明しています。南フロリダとサンフランシスコを例に、フロリダの住宅市況は堅調な一方、サンフランシスコの下落が著しい背景について考察しています。
サンフランシスコについては、新型コロナ危機の前と後で、人々の働き方が変わった事もあり、またテクノロジー業界での人員削減などの影響で、2020年から2022年の間に人口転出が増え、住宅購入数も減少。
一方フロリダは、割安な物価を求めて国内のリモートワーカーを集め、住宅価格も大きく上昇しました。
なお、この記事内の情報によると、2023年2月の前年比市況上昇率のトップはフロリダ州マイアミで約11%の上昇、他にもジョージア州アトランタやテキサス州ダラス等の西部・南部の大都市ばかりがトップにランクインしています。
アメリカの人口動態のマクロトレンド
また、Redfinの別の記事にあるアメリカの人口動態トレンドのマップも共有します。
出典はRedfinのhttps://redf.in/apUeB2です。このマップの通り、暖色の州が人口流入の多い州で、寒色の州が人口転出の多い州です。カリフォルニア州の人口転出は著しく、フロリダ州やテキサス州やアリゾナ州の人口流入が多い事が一目でわかります。要は、南西部の人口が増え、北部や西海岸の人口が急減しているということです。
アメリカ不動産投資で失敗しない為に日本との違いを知る
アメリカの不動産投資については、その純投資のメリットを最大化するには、人口が増加している&企業が集積している(経済成長も見込まれる)エリアを選ぶ事が必須です。
物価が安かったり、移民を積極的に受け入れていたり、そういった一時的な色々な背景で人口は動きますので、人口が増えているというだけではそのエリアの人口が「継続的に」増え続けるとは判断できません。そして所得が比較的高い層の流入が増え続けるエリアを選ぶ事も大切です。そのためには、企業も集積しているのかという点もよく検討する必要がありますのでそれはまた今度解説します。
日本人の感覚では、大都市圏、あるいは経済を牽引する大企業の集積地が東京や大阪から他の都市に変わるとは中々考えづらいと思いますが、国の広いアメリカでは、会社も家族も引っ越しの多いアメリカは、その国民性もあいまって、日本で言うところの東京がいくつもあり、そしてその大都市が数十年という短いスパンで頻繁に変わるという事です。
Comentarios