5月まではまだ不透明感の拭えなかった米国住宅市況ですが、今となっては多くの米国不動産関係者が「米国住宅市況は堅調だ」と回答を翻すほどの強さを見せています。
なぜでしょうか?なぜ元々の想定に反して、米国住宅市況は回復の一途をたどっているのでしょうか?
アメリカ不動産市場が力強い理由
主な理由は、供給が少なすぎる事にあります。
新規住宅の供給数は元々多くはないですが、これに加えて流通住宅数の7割以上を占める中古住宅の供給も非常にタイトです。これは、やや下がり始めたもののまだ高い米住宅ローン金利によるもので、この高い金利でわざわざ新しい家を買う為にいまの家を売りたくない、という売り手がほとんどだからです。
REDFINの公開した住宅販売価格中央値の推移を見てみましょう。
オレンジ色が今年で、赤色が去年です。例年、年前半から夏の終わりにかけてが需要期という事もあり市況が伸び、年後半はそのままの市況で横ばいに推移するかやや上がります。
が、去年(赤色)は年後半で金利が急伸したので年後半で大きく下落しました。オレンジ色の今年の推移をみてみると、蓋をあけたら今年は3月から大きく伸び、回復の一途をたどっています。
※出典:REDFIN
2023年後半のアメリカ不動産市場の行方
では、これからの半年では、例年のように横ばいに推移するか、去年のように下落するでしょうか?
当社は前者、つまり横ばいに推測するとみています。なぜなら、昨年下落したのは歴史的な低金利からいきなり金利が急上昇したからであって、今の状況とは全く異なるからです。今年は既に金利が高い中、段々と金利が緩やかに下落していく道中です。去年がイレギュラーな一年でした。
世界金融危機・サブプライムローン問題のときは、サブプライム層のみならず多くの世帯で、とにかく家を投げ売りしないとローンを払えない状況に陥りました。今は金利が高いのにそんな事が起こっていないのは、個人や家計のバランスシートが当時より健全であるからです。
為替も円安が進行していますが、この波を超え、また130円台に戻る時がくれば、その時こそ仕入れ時かもしれません。
ただ、そのとき既に米住宅ローン金利が下がり始めて市況が上昇し始めていたら時すでに遅しかもしれません。
今か、もう1~2ヶ月待つか、見極めに苦悩する局面はもう少し続きそうです。
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