高い金利を主な背景として2022年後半から米国の住宅価格は下落しています。一方で、賃料はタイムラグをもって上昇基調にある、なので利回りは上昇傾向にある中、アメリカ不動産投資でとるべきアクションは何でしょうか?リーマンショック時の住宅価格急落がまだ記憶に新しいため、また為替変動が激しいため、とりあえず今は投資するべきではないと考えられている方もいらっしゃるようなので、当社の考えを書きました。
アメリカ不動産投資はいまするべきではない?
結論から申し上げると、保有期間中のキャッシュフローを最大化するためには、実は今こそ投資すべきタイミングかと考えています。これだけ聞くと、営業的な響きがして申し訳ありませんが、下記当社の考えをお読みいただけますと幸いです。
住む為に買う実需であれば、いまは賃貸を選択し、あとで金利が下がってから購入、という選択をされる方が多いわけですが(だから賃料が上がっているわけですが)、投資の為に買うのであれば話は違います。投資のために購入される方にとっては、いまこの高い金利でもキャッシュフローが少しでもプラスとなる場合には購入(投資)してしまって、金利が下がったタイミングで “リファイナンス” することで、キャッシュフローを最大化することが可能です。当然ですが、金利が下がってからでは、住宅価格は再び上昇する可能性が高いので、良い物件が出回ればすぐに買い手がついてしまい交渉の余地は限定的となります。なので投資家にとって、今は交渉の余地が広く、そもそも「値引きをして物件を買うことができる」状況です。実際、昨年から今年の年初にかけては、オファーを出せば買い手が見つかるというような異常な状態でしたが、状況が変わり今は買い手優位の市場で(とくにキャッシュバイヤーは、セラーからしても、金利がさらに上がったタイミングで契約協議をストップする可能性が低く、安心感があるので強いです)、先を見越した一部の投資家による物件の選り好みが盛んです。金利が下がってから買おうとしては、いまほど簡単には物件を購入できなくなり、いままさに上昇傾向にある高い利回りは先に手を打った投資家のものになります。
当然ながら、投資家の皆様にはアメリカ不動産に投資いただくからには売却益も最大化して頂きたいと考えていますので、住宅価格の調整局面が終わり、住宅市況が再び上昇する局面での出口戦略は、購入前に、あるいは期中にも、よく相談させていただく事になります。
アメリカの不動産市況はバブルか?
なお、リーマンショック前後の大クラッシュ時でさえ、2007年後半より下落した住宅市況は7年強でリーマンショック前の高水準まで回復しています(all transaction house price index for the US by FRED economic data)。当社の取り扱い地域の一つであるテキサスは、そもそも下落幅も小さい上に、リーマンショックから4年前後で市況は戻っていました。米国の個人及び企業のバランスシートを見ても、そもそもあの大クラッシュと同じ轍は今回踏まなさそうです。そして実需を伴う成長地域と厳選物件への投資であることからも、一度あの時のクラッシュの記憶は横に置いておいて良さそうです。
なお、下記に、物件価格が再上昇する場合と、再上昇しない場合に場合分けして、利回りイメージのグラフを作成しました。どちらのケースにおいても、上昇する利回りを取り込む≒キャッシュフローを最大化する、には今は良いタイミングであることが見て頂けるかと思います。
アメリカの不動産市況が上昇しない/する場合の利回り推移
賃料は物件価格と異なり、下がりづらい中(むしろ今は大きく上昇基調にある中)、紺色の線の利回りが上昇したタイミングを取り込むことが必要、と考えます。
長期保有前提であれば、最良の売却タイミングをじっと狙えばよく、その間のキャッシュフローを最大化することに重点を置いて賃料の上昇局面/買い手優位の局面で投資をするという戦略についてご説明させて頂きました。
アメリカ不動産は、日本の不動産と異なり透明性が高いです。従い、コモディティとして、投資商品として、魅力は存分にありますので、タイミングを見誤らないことをおすすめします。
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