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株式会社ゴードル

海外不動産投資におけるアメリカ不動産投資の位置付け ①

更新日:2023年6月9日


さて、今回は海外不動産投資・国際不動産投資の中で、

アメリカ不動産投資の位置づけについて当社の考えを説明します。

そもそも海外不動産投資・国際不動産投資とは?


まず国際不動産投資を大別するとアウトバウンド投資とインバウンド投資になります。海外不動産投資、と日本でGoogle検索して出てくるページは、ほとんどがアウトバウンド投資です。アウトバウンド投資とはつまり日本から海外への投資を指します。一方、インバウンド投資は国外から国内への投資、つまり海外から日本への投資を指します。

海外から国内へのインバウンド投資は昨今あらためて注目されており、特に中国などのアジア勢による日本の大都市近郊の不動産(特に東京近郊)への投資は非常に活発です。投資額は前年比で10%~40%程の伸びを毎年みせています。これは、国際不動産投資をする投資家にとって、東京の一等地の不動産は他の国の一等地に比べてまだ相対的に安いからと言われています。北京などの中国の都心の一等地で運用しようとすると利回りは5%を下回る事がほとんどだそうですが、日本ではゆうに利回り4%以上を超える物件が多いです。また、日本では外国人でも不動産の所有権を得ることができます。中国では基本的に不動産を所有する権利、は得られません。富裕層が増えた中国で、“富を所有する”手段として日本の不動産を選択する人が多いことは当然の成り行きかもしれません。

※ なお、平成28年のやや古い引用となり恐縮ですが、国土交通省の資料「不動産市場の国際化に向けた環境整備」に国際不動産投資に関するデータや学識者の意見が掲載されています。当社のサービス柄、国際不動産投資はもっと活発にされるべきだ、という論調になってしまいますが、国際不動産投資が稼げる稼げないという話の前に、それが良いか悪いか、という点について、今後記事をアップロードしますので、ここでは割愛させて頂きます。


節税ができる?アメリカ不動産投資の位置づけ


では、ここからが本題ですが、日本から海外への投資のアウトバウンド投資における

アメリカ不動産投資はどんな位置づけなのでしょうか?アメリカと日本、東南アジア、欧州などを例に、国別で比較してみたいと思います。


また、ここでは以下の3つの軸で考察します。※②~③は次回。


① 市場や投資の仕組みの成熟度

② 投資商品としての魅力における比較(キャピタルゲインとインカムゲイン)

③ 税効果



① 市場や投資の仕組みの成熟度が高いアメリカ不動産

米シカゴに本部を置く、世界最大の総合不動産サービス会社であるジョーンズ・ラング・ラサール(通称JLL)社が、各国の不動産市場の透明性を数値化した「Global Real Estate Transparency Index (日本語に無理やり翻訳するとグローバル不動産透明度インデックス)」を見てみましょう。


これを見ると一目瞭然です、世界で最も透明性の高い不動産市場を持つ国はイギリスで、2位がアメリカです。3位がフランス、4位がオーストラリア、5位がカナダ、と続きます。イギリスとアメリカ、カナダあたりはほぼ毎年上位に名を連ねています。日本はというと、残念ながら12位で、G7の中では圧倒的に下位の方です。


この指数は、膨大な不動産取引データや不動産市場に関するデータから、規制や法律が隅々まで整備されていて漏れがないか、取引プロセスが分業化されていて透明性が高いか、等の主要項目でスコアを付け、総合評価されます。日本は先進国の中で圧倒的に不透明な市場ということです。他の国と異なり、日本で不動産と聞くと怪しい響きに聞こえるのは、日本の不動産市場の不透明性を利用して、情報を持たざる一般人を騙したり、貶めたりする業者がいるからであり、こういった業者がはびこるのは市場が未熟だから、と言って差し支えないかと思います。

では具体的に、アメリカの不動産市場のどこがどう透明なのか、については別のコラムで書いておりますので、こちらをご参照ください。


JLLのデータでは米国を含む先進国が、その仕組みの透明性で上位につけていることが分かって頂けたかと思います。先進国の中でも更に透明性が高いのが米国、低いのが日本、です。

ややピントを引きすぎた話になってしまいますが、日本は先進国の中では、公務員の数という観点では圧倒的に小さな政府です。OECD(経済協力開発機構)の公開値をみてみると、2019年の雇用全体に占める公務員の数はいまも5%台でOECD諸国の中では最下位です。なお、アメリカは15%前後、フランスは20%前後、北欧諸国は30%前後です。


もちろん、このデータだけを見て、大きい政府・小さい政府を判断することはできず、あくまで一つのデータの例を紹介しただけですが、政府や自治体による不動産市場への調整力が他の国より弱いとすると、当然、民間の中で情報を持つ人と持たざる人との間に情報の非対称性が生まれ、情報を持たない人は悪い物件をつかまされ、情報を持つ人が稼ぐ、という力が強くなります


情報の非対称性を利用したお金の稼ぎ方はビジネスの基本だと思いますし、間違ってるとは思いませんが、これが顕著な業界が不動産業界だと思っています。いざ投資をするという時に、得られた情報が必ず正しいとは思わずに、不動産投資にこだわるのであれば、例えば資産の一部でも他の国に投資をしてみて仕組みの違いと、その違いによって生まれる透明性が高く、手続きの工数が少なく、気持ちのいい取引、を体験されてもいいのではないかと思います。


話がややそれてしまいましたが、では東南アジア等の新興国との比較はどうでしょうか?

新興国の不動産市場は、透明な仕組みの構築を目指して年々改善こそされているものの、やはりまだ成熟度は低いといえます。マレーシア等、東南アジアの中でも国によっては不動産売買の民間のプラットフォームが生まれておりますが、誰でもフェアに同じ情報にアクセスできるか、というとそうではありません。そしてなにより、国によってはカントリーリスク(投資先の国の政治不安や金融危機等のリスク)を拭えません、これは透明性とは少しずれるかもしれませんが、仕組みが成熟している、ということは、その成熟した仕組みの基盤が

盤石であるという事を当然要求します。でないと、せっかくの成熟した仕組みが簡単に崩れてしまうため当たり前です。


ですので、透明性の高い仕組み、成熟された仕組み、が仮に新興国に生まれたとしても、その国そのもののの安定が見込まれなければ、仕組みの基盤もぐらつきかねない、と言えます。

ただ、東南アジアについては次回のブログで書く通り、やはり先進国よりは利回りも売却益も高いものが見込めますので、ミドルリスク・ミドルリターンの不動産投資の中でもハイリスク・ハイリターンな投資先が東南アジアなどの新興国、ミドルリスク・ミドルリターンが米国不動産投資、ととらえられます。


結論、成熟度合いと仕組みの透明性は先進国の中でもトップクラスな国がアメリカで、次点は欧州などの日本を除く他先進国です。その次が、日本なのか、新興国なのか、どの側面で考えるかによって意見はわかれると思います。


次回は②投資商品としての魅力における比較、そして③税効果、の観点で論じていきます。

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