今回は米国住宅市況、アメリカ不動産の市況について解説します。
まずは下のRedfinの記事をご紹介します。Redfinはアメリカ不動産に興味のある方や現地に駐在、旅行された方なら一度は耳にした事があるかと思いますが、アメリカで不動産業者ではなく民間の人たちが使う不動産情報データベース・プラットフォームです。Zillow等と並び、最も有名なプラットフォームの一つで、日本とは異なりアメリカ不動産市場は透明性が高いので、すべての物件の成約価格やその物件の情報が網羅的に確認できます。
話はそれましたが、この記事、一言でいうと住宅の供給逼迫により大都市圏では市況下落があまり見られていない、という事です。
いまのアメリカ不動産市場は力強すぎる
この記事が端的にそのタイトルで報じているように、日々アメリカ不動産を現地マーケットで売ったり買ったりしている当社の肌感覚としても、「市況は下がっておらずむしろ非常に力強い」という事が言えるかと思います。
数カ月前まで、アメリカの住宅市況はクラッシュするのでは?なんて不安もありましたが、それは度々このブログでも説明の通り、2008年前後の世界金融危機がまだ記憶に新しく、米国住宅市場というとクラッシュしかねない、という印象を皆さん持っているからかもしれません。
いまのアメリカ不動産市場と過去の住宅バブルを比較
当時とは全く状況が異なり、住宅ローンの延滞率を比べても、物価や賃金上昇率に比べてアメリカ不動産の市況が上がり過ぎているかどうかを検証しても、今回アメリカ不動産市況がクラッシュする事は考えづらいかと思います。
世界金融危機の時と今の市況の指標比較は次のブログで詳細に解説しますが、先に下のデータだけ公開します。
上から、CPIとケースシラー住宅指数の比較、と、世帯収入とケースシラーの比較です。それぞれ、物価や世帯収入の伸びに比べて住宅市況が伸びすぎているということがないことを説明しています。また最後部のデータからは、住宅ローン延滞率が低水準で推移していることで住宅オーナーの大半を占める実需が(リーマンショック時のように)投げ売りをしなければいけないような状況にはなく、オーナーのバランスシートが健全であることがうかがえます。
むしろ、今は「金利が高いので中々売り手は自分の家を手放せず(≒金利が高いので次の家へ新しいローンを組んでわざわざ移ろうとしない)、中古住宅の供給が逼迫。市況は再上昇しているエリアが多い」状況です。
アメリカの景気そのものが後退したとて、住宅市況は実需がある限り力強いものです。これは歴史が証明しています。唯一の懸念は、クラッシュするかどうか、でしたが、到底クラッシュはしなさそう(そもそもバブルではなかった)なので、今は低金利の国の投資家にとってアメリカ不動産市場は非常に魅力的な投資家になっていますね。
現に、為替が130円前後になったタイミングで問い合わせは非常に増えております。金利差を活かしたキャリートレード、いまこそ、と考える方が増えているからだと思います。
次回は、世界金融危機のときと今の米国住宅市況の比較、をより詳細に解説します!
乞うご期待!
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