こんにちは、ゴードルの渡辺です。
ドル資産と聞いて、皆さんは何を思い浮かべるでしょうか?
アメリカ株、ドル建ての保険、米国債、そしてアメリカ不動産などありますが、もちろんそれぞれ良さやリスクが違います。まず、本ブログでは、なぜドル資産を持つ必要があるかを解説します。
昨今の為替の動きについて
為替の動きが激しい昨今です。主にいまの為替、ドルと円の動きはアメリカと日本の金利差によるものです。金利が高い方の通貨の需要が高まり、その通貨が高くなり、金利が低い方の通貨は逆に安くなります。だからドル高円安が2022年後半から急速に進行しました。
日本の金利は大幅に上がるでしょうか?日銀のバランスシートを考えると、負債が大きいので、金利を上げすぎるという事は多分起こらないと思います。ただ当社はこの専門家ではないため、あくまで当社の予測です。
さて、日本の家計が資産の一部をドル資産へ分散しなければいけないと考える理由はこの為替の動きをヘッジした方がいいから、ではありません。
ドル預金ではなくドル資産へ分散しなければいけない理由
その通貨の実質的な価値をはかるのに、実質実効為替レートというものがよく引用されます。貿易相手国の為替レート、例えば日本にとってのアメリカドルに、その両国の物価上昇・物価下落、および両国間の貿易額などを考慮して計算されたものです。
実はこの実質実効為替レートでみると、円安が進行するずっと前から、円は下落を続けております。下の表はバブル崩壊後の同レートの推移をあらわしたものです。ただの為替レートは灰色の線にあらわされるように上下していますが、濃い紺色の線(実質実効為替レート)は2010年台から下落し続けています。
これは「アメリカの物価は正常に(時に異常に)上昇を続けているが、日本は低成長だった」ために起こります。例えば、10年前に1ドル100円だったとして、その時に1ドルの商品を買うのに必要な円は100円でした。しかし、10年後に為替レートが上下を繰り返した末に戻り1ドル100円であっても、10年前に1ドルだった商品はアメリカの物価上昇により1.5ドルに上昇していれば必要な日本円は150円です。為替レートだけをみてはいけない理由はここにあります。
つまり、現金をもっているだけでは、ドル預金を持っているだけではだめで、その国の成長を取り込めるような資産を持つ必要があるわけです。
COVID19の前後で海外旅行に行かれた人は、円安になったからだけではなく、日本より賃金も物価もあがった国で、例えばアメリカで、日本で増やしただけの資産では足りないという事を、痛感されたと思います。
ドル資産への分散はキャピタルフライトか?
なお、ドル資産への分散、といえば聞こえがいいですが、これはともすれば立派なキャピタルフライトではないか、と言われることがあります。キャピタルフライトかもしれません。ただ、キャピタルフライトが和訳されるとよく資本逃避と言われますが、この表現は正しくないと思います。
逃避、つまり逃げているのではなく、自己防衛の為に仕方なくそうせざるを得ない、という話です。ドル資産へ分散することをネガティブに、ときに批判的に捉える方がいれば、その方に日本の家計を守る方法を聞いてみたいです。
逃げているのではなく、成長する外国の資産へ投資をする、つまり世界で戦えるだけの現金が眠る日本の家計を有効活用することが必要だと考えるわけです。
さて、次のブログではドル資産におけるアメリカ不動産の位置づけについて解説します。乞うご期待!
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