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株式会社ゴードル

アメリカ不動産投資の為替リスク

更新日:2023年6月9日

㈱ゴードルの渡辺です。


まだまだ米経済、米国の住宅市況ともに不透明な状況が続きますが、住宅ローン金利はやや落ち着いてきたこともあり、良いエリアの良い物件はいまだにリストされてから数日以内には成約しています・・


さて、今回はアメリカ不動産への投資における為替リスクについて説明します。



アメリカ不動産投資の為替リスクについての当社結論


結論から先に申し上げると、以下の2点です。


①ドルでの資産を一部持ち続ける前提であれば為替リスクはリスクとは呼びづらい

②円建てのアメリカ不動産担保ローンを使うなら物件価格の5割前後の融資に抑えるべし


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当然、ドル建て資産への資産分散というメリットの裏返しで、為替変動によるリスクは避けられません。


特にいま日本円で運用されている投資家様が、日本円をドルに換えてアメリカ不動産へ投資した場合、将来円安が進行した時に売却して再度、円に換えれば為替差益が生まれますが、逆に購入時の為替レートより円高が進行した時に売却して再度、それを円に換えれば為替差損が発生します。


例えば、わかりやすくUSD 1百万の物件をUSD/JPY=100の時に購入したとします。市況が変わらなかったとすると、USD/JPY=150になれば(円安が進めば)物件価格は円建てで1億5千万円に、ただUSD/JPY=80になれば円建てで8千万円となります。


ただ、ドル建て資産への分散、というメリットを活かされたい場合は、そもそも売却して直ぐに円に換えなければいけないような収支計画は立てずに、売却して入ってきたドルを好きな時に円に換える、あるいはドルで持ち続ける、という事を前提として投資をご検討いただいている方が多いかと思います。



アメリカ不動産は長期で保有する前提



一方で、為替については(短期ではまだ予測がしやすいものの)中長期では読めないため、この変動をシミュレーションに反映させない方がいいと当社は考えます。例えば買う時の為替と、保有期間中の為替が大きく異なる前提でシミュレーションを組むのはあまりお勧めしません。


※中長期的にドルの方が円より安くあり続けるという事もないと当社は考えています。短期的には日米の金利差による為替変動が起こりやすい状況が発生しますが、中長期的にはやはりどちらの通貨の方が需要があるか、どちらの国の方が経済・国力が成長し続けるか、という観点で考えてみると、人口が減り始めて産業の空洞化も著しい日本と、人口が伸び続けており今もなお世界経済を牽引し続ける企業が生まれているアメリカ、どちらの方の通貨の需要が高まるか、ということは明白だと思います。


また、不動産というのは持ち続けて損が膨らみ続ける事はない、むしろ持ち続ければそれだけ賃料収入が増え、タイミングを見て好きな時に売却することが可能です。


たとえば株式の固有銘柄などの他金融商品の場合、持ち続けて塩漬けにして含み損が膨らみ続ける、あるいは元々の投資額がいつまでも回収できない可能性というのはあるかと思いますが、不動産、特にアメリカ不動産の場合、中長期的には市況の調整を繰り返しつつも上昇し続ける商品ではあるので、好きな時に売却すれば宜しいかと思います。


また、再三になりますが、アメリカの中古住宅市場はマーケットの厚みが日本のそれとは比べ物になりませんので、勿論流動性は金融商品に比べたら低いですが、それでも何カ月も売れない、ということはあまりありません。(少なくとも、そういった売れにくい物件を最初から選ばない、という事が大切です)



アメリカ不動産投資で融資を使いすぎるのはNG



最後に、融資制度についてですが、当社が紹介可能な日本の金融機関様が提供されているアメリカ不動産を担保とした融資制度も、他社が紹介する制度も、円建てでの融資です。したがって、円での返済になります。


この融資制度を使う際に気を付けた方がいいことは、日本の不動産への投資をする場合と異なり、フルローンやフルに近いローンは利用されないことをお勧めします。


これは、シンプルに負債は円建てである一方で資産はドル建てだからです。


例えば、先ほどの例の通り、USD 1百万のアメリカ不動産に、フルローンで投資されたとします。また融資実行時のレートがUSD/JPY=100だったとします。そうすると、投資家様の負債は1億円、投資家様の資産はUSD 1百万のアメリカ不動産です。


市況が変わらず、ただ売却時に為替レートがUSD/JPY=80となってしまった場合、投資家様の負債は1億円から変わらないにも関わらず(金利のみ支払ったと仮定)、資産は8千万円です。したがって、残債が2千万円残るわけです。もちろん逆もあり得ますが、あえてミドルリスクの不動産へ投資しているのに為替リスクを許容しているという事です。


この同じ例で、半分のローンしかひかなかったとすると、投資実行時の投資家の負債は5千万円、資産はUSD 1百万です。為替がUSD/JPY=80になっても、資産は8千万円で、負債<資産なので、持っているだけでお金が飛んでいく残債はありません。この場合、為替リスクを少しでも抑えることができるわけです。


もちろん、融資を受けられた方が売却益が生じる場合のレバレッジはききますが、ドル建て資産のアメリカ不動産に日本円の融資制度を使うのであれば、為替リスクをあえて大きくし過ぎず、一方でレバレッジもある程度きかせる、という融資制度の使い方が宜しいかと当社は考えます。

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