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アメリカ不動産市場の特徴 ① ~市場の透明性~

更新日:2023年6月8日

これからの3回は、「アメリカ不動産市場の特徴」について解説します。


1. アメリカ不動産市場の透明性について(今回)

2. アメリカ不動産市場の分業化について

3. アメリカの戸建て市場の中古物件の割合について

今回はこの連載の第一弾、アメリカ不動産市場の透明性についてをお送りします。


この3回の連載を通じて、日本の不動産市場や不動産投資の仕組みとこんなにも違うのか、という事をわかって頂けるかと思います。また、日本のお客様の一部の方は不動産に対して、不透明なため安心して投資できたものではなく、不動産屋も怪しい、何が営業トークで何が嘘なのかが分からない、といったような悪い印象を少なからずお持ちかと思います。これはあくまで日本の限られた土地、あるいは日本の商習慣や仕組みや法制度が悪さをしているのであり、同じレンズで海外の不動産市場をとらえてはいけない(もったいない)と私たちは考えております。


また、アメリカ不動産、と一概に言っても、住居用や商業用などいろいろあり、住居用の中にもコンドミニアムや戸建てなど多くあるので、もっとも日本の個人や法人にとって馴染みがあり、かつ投資用として対象にしやすい住居用かつ戸建て、を例に挙げてご説明します。


今回のテーマ、米国不動産市場の透明性について。



アメリカの不動産データベース、日本との違い


日本で言うレインズのような仕組みがアメリカにも当然あり、これをMLS(Multiple Listing Service)と呼びます。全米リアルター協会が管理する不動産データベースで、このMLSが価格の透明性を担保しています。


原則、このMLSには過去の取引価格推移などはもちろん、修繕履歴なども含めたあらゆる情報を登録しなければなりません。日本のレインズとは情報の網羅性が比べ物になりません。情報登録も、原則、取引から48時間以内にしなければいけないというルールもあります。ただ、このMLS、当然ライセンスを持ったブローカー等だけが見ることが出来ますが、一般の人も概ねMLSに掲載されている情報を入手できるサイトがあり、これが不動産テックの先駆け、ZillowやRedfinと呼ばれるサイトです。全米の誰もが知るこれらの大手不動産情報サイトは、更新の頻度こそやや低いものの、MLSに掲載されている価格も含めた情報をほぼ全て網羅しております。公的な仕組みと民間の仕組み、その両面であらゆる情報が誰の手にも取って分かる仕組みがあるわけです。これらの仕組みがアメリカの不動産市場の透明性を支えています。



アメリカ不動産市場の健全性は透明さに下支えされている

アメリカの住宅、と言えば、映画でなどで同じような家が一列ずらっと並んでいるアメリカの戸建て住宅街の風景を思い出される方は多いかと思いますが、国土面積の広いアメリカでは、トップダウンで行政がゾーニングを行い、住宅地や商業地などが細かく規定されている為、同一エリア内の住宅開発は一斉に行われ、同じような家が立ち並ぶ中で、一軒だけ他よりも高い、あるいは安い、ということが起こらないような仕組みが作られています。そんな家が増えれば統制の効いた市場は崩れます。だから、MLSやZillowで近くの家の価格や家賃帯を見れば、いま買おうとしている物件の適正価格や適性家賃が分かるわけです。近くの似たような広さの家の価格がUSD 30万ドルで、あまり市場の変化はないはずなのに、今回投資しようとしている家がUSD 35万ドル、ということはあり得ないわけです。ただ、それを知らない日本人を含めた海外投資家向けに、市場よりはるかに高い価格で販売をされている不動産屋もありますのでご注意ください。


市場の透明性が高いということは、投資家が安心して商品へ投資できる仕組みの基盤があるということであり、市場は市場としての機能を十分に発揮できる環境が整っているということです。やけに高い物件、安い物件、情報の非対称性を利用した悪徳業者は排除され、市場は正常に機能します。



日本含む他の国の状況

なお、少し話がずれますが、イギリス(イングランド)やフランスなどの一部の欧州諸国も、不動産の取引価格は公開されており、それに伴いアメリカのZillowのような民間サービスも充実しています。詳しくは国土交通省の発行する「欧米における不動産取引の透明性向上に資する民間サービス事例について」をご参照ください。


※参照元:https://www.mlit.go.jp/totikensangyo/const/content/001475998.pdf


なお、米国の総合不動産会社、ジョーンズ・ラング・ラサールが2016年に発表した各国の不動産市場の透明度スコアは、1位が英国、4位にアメリカがランクインしました。日本は19位でした。

日本の不動産業界は、1990年に宅建業法でレインズへの物件登録が義務化されてから、情報のデータベース化の歴史ははじまりましたが、両手仲介の禁止など透明化に向けた提案が過去議論されたことがあったもののの業界の反発で実現することはなく、いまに至っております。結果として閉鎖的で不透明な日本の不動産市場はいまも変わらないまま、日本の人口は減少に転じました。人口が減るということは、(外国人労働者や外資系企業の受け入れが進まない限り)需要が減るということ。需要が減るということは、これまで以上に供給過多が進むということ、そして価格は下落するケースが増えるということ。


そんな日本のこのような仕組み、商習慣は、中々変えられないものですが、せめて消費者目線では、せっかくなら透明性の高い市場にお金を入れたいと考えるのは当然の成り行きであり、その市場がさらに成長していて整備されているのであれば猶更のことです。だから私たちは透明性が高く成長する米国不動産市場に目をつけ、家計や中小企業の資産形成に活用してほしいと考えています。


以上、アメリカ不動産市場の透明性についての記事でした。

次回は、アメリカ不動産投資における分業化について!お楽しみに。



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