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YouTube動画「生の米国住宅市況(2023年7月)」の解説

更新日:2023年9月27日


こんにちは!ゴードルの渡辺です。


今回はタイトルの通り今週発表された世界の重要な経済指標を振り返り、当社なりの考察を解説していきます。


2023年7月より自社運営となったYouTubeチャンネル「ゴードルチャンネル」の7月20日にアップした動画、「生の米国住宅市況」の解説ブログです。


経済指標はリアルタイムではないですが、列記としたデータなので嘘をつきません。


もちろん捉え方によって、リセッションがおこるのかおこらないのか、あるいは各商品でBullとみるかBearとみるか、いろいろ変わってくるかと思いますが、あらゆる経済ニュースで溢れかえっている現代において、「これだけは押さえるべき」経済指標がなんなのか、そして「そのデータが何を意味するのか」を説明するのは大事だと思っています。


なので、今後、原則ウィークリーで経済指標について解説していこうと思います。 私たちは米国不動産を扱う会社ですので、もちろん米国不動産の市況を予測するのに大事な指標を取り扱いますが、他商品の市況、ひいては米国経済、世界全体の体温は何度なのか、ヒートアップして熱を出しているのか、平熱なのか、あるいは局所的に悪いところがあるのか、などなどこのシリーズで少しでも一緒に考えて頂けたらと思います。

米国の住宅着工件数

前置きが長くなりましたが、今回注目したい指標はこの2つです。※次回は中古住宅販売戸数と日本の全国消費者物価指数について解説します。

  1. 米国住宅着工件数 (7月19日発表)

  2. 失業保険申請件数 (7月20日発表)


まず1の米国住宅着工件数ですが、日本時間の19日午後9時30分に発表されました。前回の数字と予想はこの通りでした。 予想 147.5万件 前回 163.1万件  要は住宅着工件数大きく下がるだろうと、いう予想でしたが、結果は下の通りでした。前年比でいうと約8%の減少です。 結果 143.4万件 予想 147.5万件 前回 163.1万件  ちなみにこの数字、季節要因を加味したデータです。そしてサイド情報としては、この数字の大半をしめる一戸建ての住宅着工件数は5月の数字から約7%減少し93万件ほどでした。 つまり、先月比では新規住宅着工件数はやや落ちたということです。ただ、実は先月(5月)の数字である163万件がかなり高い水準で、この6月の今回のデータはあまり低すぎる数字ではないです。ちょっと様子見が必要な状況です。 ちなみに先月高かった理由は、まさしく中古住宅の供給量が異常に少ないからです。金利が高く、いまの家主が中々引っ越さないので中古住宅の供給量が少ないというのは前のブログでも伝えた通りですが、そのため新規住宅の建設業者はその恩恵を受けて多く建てている、ということです。 ちなみに、次回は7月20日に発表された中古住宅販売指数について説明しますが、こちらは引き続きかなり低い水準です。予想よりも低かったです。

米国の失業保険申請件数

はい、次に2の米国失業保険申請件数です。こちら、労働省が毎週木曜に発表するものですが、週次で発表されるので速報性が高い為、失業率や雇用統計の先行指数として、トレンドを読むのに適した指標です。 結果として、2週連続の下落となりました。少ないほど労働市場が逼迫しているということになり、予想より低いなら、案外労働市場は力強いな、ということになります。 数字としては228千件で、今年の3月から6月にかけて高い数字が続いておりましたが7月に入り減少しはじめ、今回2週連続で減少、つまり労働者需要は堅調そう、ということになります。 ちなみに週間変動を平準化する申請件数の4週間移動平均も9千件の減少で約23万8千件となり、トレンドとして失業保険申請件数が大きく下がってきている、つまり労働需要が強い、ということになります。 ただ、まだ減少トレンドは始まったばかり、引き続き注視する必要があります。州ごとにみたらカリフォルニアでは失業保険申請件数が増えているということですので、エリアや産業分野ごとに注視が必要です。

まとめ

事実としては下のようなことが言えるかと思います。

  1. 新規住宅の着工数はやや下がったがまだ好調。中古住宅の供給の少なさによる。中古住宅市況はまだ上昇中。

  2. 労働市場は堅調、むしろ逼迫している。楽観的な見方が強まる。

金利が上がっているにも関わらずこの力強いアメリカ経済、どうなっていくのか今後もしっかりデータを見ていきます。いまのところは利上げが住宅市場及び労働市場にはあまり効いておらずいずれもかなり力強い、としか言えません。


以上、「生の米国住宅市況」の解説でした。

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