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アメリカの戸建ての修繕 「リペア」

更新日:2023年6月9日


今回は、アメリカ不動産を購入した際に行われる修繕についてご紹介します。


まず、修繕を大きく分類すると、2種類あります。一つは、物件の瑕疵を直すリペアです。もう一つは、物件の価値を上げるために行われるリノベーションです。今回の記事ではまず一つ目のリペアについて解説します。


物件の瑕疵を見つける


そもそも物件の瑕疵はどのように分かるのでしょうか。


米国ではホームインスペクションというものがあります。ホームインスペクションとは、ライセンスを所有した専門家による住宅診断で、物件の購入時に行われることが多いです。


米国では中古物件がマーケットの8割を占めており、更には物件売買契約において日本で有名な瑕疵担保特約(※)は原則ないので、買主が自らの責任においてホームインスペクションを行い、隠れた瑕疵を見つけ、最終契約を締結する前に価格交渉などする必要があります。そのため、ホームインスペクションは家を購入する際には必須の手続きとなっております。※物件引渡後に判明した瑕疵に対して売主が責任を負う特約


ホームインスペクションでは専門家が、例えば屋根から水漏れが発生している、であったり、物件がやや南側に傾いているであったり、シロアリ駆除の形跡がある等を隈なく調べてレポートにします。そのレポートを読んだ上で、買主は物件引渡後に適切なリペアを施していきます。


ファンデーション工事


今回はテキサス州でよく行われるリペア事例の一つ、「ファンデーション工事」をご紹介します。


ファンデーション工事は、物件の基礎・基盤が安定していないと判断された際に行われる工事です。お化粧をされる方ならよく耳にされるファンデーションとは、英語で基礎・土台の意味です。化粧品のファンデーションと同じですね。


テキサス州は気候の影響で土壌が乾燥することが多く、乾燥によって土地の一部が収縮する際に沈み込み、もしくは盛り上げりが発生しやすくなっております。そのため、建物の土台を掘り起こしジャッキを埋め込んでこれ以上沈み込まないようにするといった対策が行われます。


一般的な費用は、$3,000~$6,000ですが、ひどい場合には$10,000を超えるというケースもあります。


物件購入時にファンデーション工事が必要かどうかを精査し、修繕の目安額を定めることは非常に重要です。


修繕の費用感を踏まえてターゲットの物件にオファーを入れます。例えば30万ドルの物件で利回り10%(年賃料3万ドル)でも、修繕に5万ドルかかれば、3万ドル÷35万ドル=8.5%まで利回りは下がってしまいます。修繕に5万ドルもかかる物件はあまり多くはないですが、いずれにせよ、よく事前確認が必要なポイントです。


ただ、どこが修繕が必要か、という点は冒頭で説明したインスペクターが中立的かつ特定のライセンスをもった第三業者のため、公平に判断され、レポートが出されますので、この点はご安心ください。


次回は、もう一つの修繕、「リノベーション」についての記事です。


お楽しみに!

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