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アメリカ不動産投資で失敗しない為に ~契約までの流れ編~

更新日:2023年6月9日

前回からの連載「アメリカ不動産投資で失敗しない為に」、今回は契約の流れです。


前回は物件選定の基準について説明させて頂きましたが、今回は物件が決まったらどうオファーして成約を目指すのか、そしてどう契約を結ぶのかを説明します。なお、州により一連のプロセスで登場する人の役割や契約書のフォーム等、変わりますので、当社の取り扱いで最も多いテキサス州の物件を例に一般的な流れ・当社経由で投資をされる際の流れを説明致します。



アメリカ不動産投資の全体の流れ

物件選定後の大まかな流れは下記の通りです。※融資制度を利用される場合は下記①~⑧と並行して銀行側に都度状況を報告し、仮審査から本審査、金消契約の締結、融資実行という流れがありますが、下記ではこれを割愛し、物件成約から決済までの一般的なステップのみを記載します。


① 購入希望金額をエージェントに伝え、オファーシート(売買契約書)を取り付ける

② オファーシートに必要事項を記入し(あるいは確認し)オファーを入れる

③ 価格や決済日などの各条件の交渉をエージェント経由で行う

④ 価格を含めた各条件について合意できたら、手付金を支払う

⑤ オプション期間(≒7日間程 / 契約を破棄できる期間)中に物件調査を行う

⑥ 物件調査の結果を踏まえて物件価格の最終交渉などを行う

⑦ 価格含めすべての条件で最終合意する

⑧ 決済を行う


価格を含めた各条件の交渉


オファーを入れたい物件が選定できたら、購入希望価格などをエージェントや当社に伝えてオファーシート(売買契約書)を取り付けます。この契約書、不動産会社ごとに異なるものではなく、テキサス州の場合はTREC(Texas Real Estate Commissionの略称で、テキサスの不動産協会のこと)が発行する定型テンプレートがあります。住居用の不動産の売買ではこのTRECの定型フォームのままで事足り、ちょっと確認が必要なポイントがあれば、当社の場合は都度弁護士に相談しています


物件住所や希望価格などをエージェントが変わりに記載したオファーシート(売買契約書)の内容を確認し、問題なければこれに署名をして提出することで正式にオファーをしたことになります。なお、例えばオプション期間(その期間中であれば契約は破棄が出来る期間)や決済日(銀行融資を使われる場合は銀行による仮審査および可能な決済日の確認などが必要)など、契約に関する重要なポイントは、当社の場合はくまなくチェックし、問題がないか確認してから署名をいただくようにしています。


また、現金で購入する場合、一般的には銀行の残高証明、融資を使う場合は銀行によるPre Approval Letter(この人に仮審査では融資可能と判断しました、と銀行が証明するレター)などをオファーシートとあわせて提出する必要があります


例えばいまのような買い手優位の状況ではリスト価格(ZillowやRedfinなどにも物件ごとに公表されている、その物件をいくらで売りに出すか、という売主側の希望価格)よりも低い指値のオファーを入れやすい状況です。ただ指値が低すぎると相手にされないため、投資家様の予算や市況感を踏まえて、日本円にして数十万から数百万円の値引き指値を入れ、交渉します


なお、その指値がまったく可能性のないものなのか、可能性はあるのか、などは周りの成約事例を見れば大凡のレンジはわかります。これは当社のようなエリア毎の成約事例や市況感をわかる専門家に任された方がいいかと思います。


物件調査(インスペクション)から最終合意


晴れて価格やオプション期間の合意ができましたら、すぐにまず手付金をエスクローに支払います。エスクローについては別途また解説しますが、契約当事者の間で決済などを取り次ぐ弁護士や金融機関などの第三者業者のことです。このエスクローが間に入ることで取引の安全性が確保され、勝手にどちらかがお金を持ち逃げするといったことがなくなります。また、手付金は物件価格の1%前後が多いです。


そしてその直ぐ後あるいは同時にインスペクションを入れます。アメリカの不動産市場の特徴として、あらゆるプレイヤーが第三者であり、分業化が進んでいることを以前のブログで説明しましたが、このインスペクションを行うインスペクターも同様にライセンスを取る事が難しい専門職であり、独立して動くことが多い職種なので、不動産会社とつるんで適当なインスペクションを行うことがなく、それでも不安な方は当社のような適当なインスペクションをしていないか確認できる日本側の専門家も入れた方が宜しいかと思います


インスペクションは通常、上述の価格合意から数日以内に入れ、すぐに写真や動画などが投資家に送られてきます。これをみて、この部分が案外古いからもう少しだけ物件価格を下げさせよう、などと判断が可能です。


なお、上述もした、価格合意後も契約を破棄できる期間であるオプション期間は通常5日~7日間です。オプション期間中に契約を破棄した場合、手付金は戻ってきます(インスペクションの実費であるUSD500~700ほどはもどってきません)。この期間中に手付金の支払い、インスペクション、最終価格交渉、など全て詰めなくてはなりませんので、あまり複雑な仕組みではないですが、迅速な判断や対応が求められることや、最終価格交渉などについては、この道の専門家でありながら日本側で投資家の立場に立ちフェアに判断ができる業者を起用されるのがいいかと思います。


上記、すべて完了したら無事契約完了です。売買契約書に双方が最後の署名を行います。


実際には、もう少し細かい対応や気を付けなければいけない点などありますが、それはまた別途解説します。あるいは当社にいつでもお気軽にご相談ください。





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